カリキュラムは誰のため?
塾のカリキュラムは、当たり前ですが、『全生徒』のために作られているわけではありません。しかし、だからといって、『自分』のために作られているわけではないことも、当たり前ですね。
では、誰のために作られているのか。概ね、平均的な生徒のために作られてるといって問題ありません。
カリキュラムをしっかりこなしていけば、問題ない?
実は、そうともいえないのが、カリキュラムです。分けて考えてみます。
上位クラスのカリキュラム
上位のクラスで、カリキュラムをきちんと消化したとしましょう。しかし、さすがは上位のクラス。カリキュラムぐらい、みんながしっかり消化しています。
ですから、カリキュラムをしっかりこなすだけで良いと思っている人は、ほとんどいません。それでもカリキュラムをしっかりこなすのは、うっかり穴が見つかったり、忘れているところがあると、困ってしまうからなのです。
平均かそれ以下のクラスのカリキュラム
平均クラスで、カリキュラムをきちんと消化したとしましょう。
きちんとカリキュラムを消化しながら、なぜ平均クラスなのか。それは、それまで取り組んできたことに、穴があったからです。
「穴になっている部分がまた訪れた時に取り組めばよい」
そう思って放置している人も少なくありません。
しかし、残念ながら、再度登場する時には、少し難易度が上がって再登場します。その時に人に追いつこうとしても、元々穴になっているようなところです。もっと苦戦して、もはや苦手分野になってしまうかもしれません。
そうならないためには、「穴がある」と意識したときに、しっかり穴をふさぐ必要があるのです。
クラスを上げたい、少しでもレベルを上げていきたいと思ったら、そのような取組みを継続的に行いましょう。そうでなければ、いつまでたっても『平均クラス』から上には進めません。
塾・予備校のカリキュラムの弱点
塾・予備校のカリキュラムには、大きな弱点があります。カリキュラムに従って勉強しても、決して効率的な学習にはなりません。
どういうことか。
塾や予備校のカリキュラムは、誰がどんな時期に入学しても、一通りの範囲を消化できるようになっています。このことによって、ある2つの大きな問題が発生します。
- 得意分野を増やしづらい
- 苦手分野が放置されやすい
得意分野を増やしづらい
せっかくある分野が得意になりそうだとします。しかし、次の月には別の単元に飛んでしまいます。
その単元がもう一度出てくるのは半年後?1年後?その頃には忘れてしまっていて、『振り出しに戻る』というような状況になります。
このようなカリキュラムでは、いつまでたっても、その単元を得意にさせてくれません。
苦手分野が放置されやすい
ある分野が苦手なまま放置されたとします。
その単元がもう一度出てくるのは半年後?1年後?しばらく見なくて済むので、しばらくその苦痛を忘れておくことができます。
再度出てきても、同じレベルのクラスメイトは、だいたいみんなも忘れていますから、最初はできなくても、そこまで苦痛がありません。
カリキュラムの出てくるままに勉強していたら、いつまでたっても得意分野を増やせないまま、塾・予備校の良いお客様になってしまう可能性があります。
カリキュラムはそれでも重要
カリキュラムをしっかり消化していくことは、非常に重要です。そのことは否定しません。自分が個別指導塾の校長だった時にも、生徒・保護者には、集団指導の併用を勧めていました。
というのは、周りとの差が分かりやすく、自分の弱点を意識しやすいからです。
個別指導の弱点
個別指導では、延々と同じ単元を指導することもできてしまいます。その環境だけでは、ゴールまでの時間を本人・保護者が意識するのが難しいのです。
その点、集団指導を受けていると、カリキュラムはどんどん進んでいきますから、自分の位置や弱点を、嫌でも意識させられます。そして、カリキュラム表があることによって、何にどれだけ取り組めたか、どれだけ放置しきてきたを、把握することもできます。
長期休暇・連休をしっかり活用する
長期休暇や連休は、自分の弱点をしっかりつぶすのに、最高のタイミングです。
普段は、塾・予備校や学校のカリキュラムを消化するのに、一杯一杯になってしまうでしょう。だからこそ、「長期休暇中/連休中に何をしたか」は非常に重要です。
長期休暇中
長期休暇は、ある程度大きいテーマを扱い、苦手分野の克服と、得意分野の構築に、バランスよく取り組みたいところです。
英語なら、文法を基礎からしっかりやり直す時間にできます。
to不定詞や関係代名詞といった、大きい単元の全体的な学習も可能です。『志望校の全訳に取り組んで把握しておく』というような時間を設ける余裕もありますね。
算数や数学なら、まずは絶対にできるようにならなければならない単元を。
分数の計算が苦手な人は少なくありません。1か月かけて、「どんな計算でもミスなくできる」ぐらいになるまで、しっかり取り組んでおきたいところです。
連休中
長期休暇と違って、連休では、思い切った選択と集中が重要となります。「あれもこれもやったものの、結局疲れただけ」とならないように気を付けなければなりません。
優先順位については、以下のように考えましょう。
- 致命的な弱点になっている単元を1つ、徹底的につぶす
- 基礎訓練に徹底的に取り組む
- 今後ポイントになりそうな単元に集中的に取り組む
大切なことは、「あれもこれも」にならないようにすることです。
もちろん、「1つの単元を3日間みっちりずっとやり続ける」なんてことは飽きてしまいますから、多少の選択肢は設けます。それでもなお、「何だけは絶対にモノにする」という意識は忘れず、しっかり完遂するようにしなければなりません。
時間の使い方は要注意
普段は、学校・塾・予備校のカリキュラムに一生懸命になってしまうでしょう。大切なことは、そこから解放された時の時間の使い方です。
長期休暇・連休の講座
長期休暇や連休に、塾・予備校のいいなりになって、講座を入れていませんか?その講座は、きちんと『自分の弱点を克服できる』内容になっているでしょうか。
「1日目の単元は何、2日目の単元は何」というような、ダイジェスト講座になっていたら要注意です。毎日単元が変わる講座は、特に穴もない人のためが、念のために取り組んでおくような、復習のための講座です。
1か月かけてもなかなかつぶせない内容のものを、1日講座を受けて何とかできるはずがありません。予習も苦しい、復習も苦しい。授業を受けただけ。そんな風になる可能性が高いでしょう。
学校休暇の使い方
創立記念日や試験休みなど、学校の授業も、塾・予備校の授業もない時を、どのように過ごしていますか?
もちろん、時には息抜きも大切です。しかし、そういう時ほど、何かにしっかり取り組むチャンスです。
1日何かに取り組むとしたら、何に取り組みましょうか。長い時間を使える日を、無駄にしてはいけません。1つ1つ弱点をつぶしていくことで、受験直前に後悔しないで済むのです。
個別指導を受けてみませんか?
受験直前のことを考えた、戦略的な取り組みしてみませんか?
まずは、何をどのように取り組むか、一緒にしっかり分析してみましょう。そしてまた、「何をやらなければならないか」が分かっていても、それを正しく実行していくこと自体、簡単ではありません。
効率的に、妥協なく、弱点をつぶすために。一緒に戦略的に対策していきましょう。